これから相続をされる方につきましては、まず「自分に相続ずる財産があるかどうか」から検討していきましょう。
もし、相続する財産があった場合は、早めに近くの税理士事務所に相談してみましょう。また、実際に相続を行う場合は、種々の書類が必要になります。下記に記した書類が一般的なものですが、いずれにせよ、心当たりがある場合は、お近くの税理士さんに相談するのが間違いないでしょう。
相続税には、「基礎控除」といわれるものがあり、この控除額以下だと相続税はかかりません。
「基礎控除」額は、3000万円に、法定相続人の数1人当たりに600万円を加えた額になります。
たとえば、なくなった方の相続をする人が、妻と子供2人であった場合、法定相続人の数は3人となるので、3000万円+(600万円×3人)=4800万円までは相続税がかからないことになります。
なお、基礎控除額の計算基礎となる「課税価格」および「法定相続人数」につきましては、お近くの税理士などに相談すると良いでしょう。
(追記)
税制改正により平成27年から基礎控除が引き下げられております。この改正により、従来は相続税の申告が不要だった方も、申告義務が発生することとなりました。具体的には下記のとおりです。
(改正前) (改正後)
基礎控除 5000万円 → 3000万円
法定相続人数(一人当たり)
1000万円 → 600万円
(例) 法定相続人が、妻と子供2人の場合の基礎控除額
5000万円+1000万×3人=8000万円
↓
3000万円+ 600万×3人=4800万円
1.相続登記および相続税申告に必要な書類
①被相続人の戸籍謄本(市区町村役場の住民課で取得)
※被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要となります。
・改正原戸籍(必要に応じて)
・除籍謄本
②被相続人の住民票の除票または戸籍の付票(死亡したときに作成されます)
③各相続人(全員)の戸籍謄本または抄本
④各相続人(全員)の住民票(本籍地の記載のあるもの) ※2通
⑤各相続人(全員)の印鑑証明書 ※2通
⑥固定資産税評価証明書(土地、建物) (市町村役場の税務課で取得)
不動産の名義変更のための登記を行う際には必要となります。
2.税務申告に必要な書類
①預貯金等の残高証明書、通帳のコピー
※死亡日現在のもの
②機械・構築物・株券・農協への出資金証明書
③生命保険金の支払証明書および生命保険証書
④火災保険等の保険証書、共済金の一覧等
⑤自動車の車検証(被相続人名義のもの)
⑥退職金があった場合、源泉徴収票等
⑦電話加入権、ゴルフ会員権等
⑧公図(の写し)、住宅地図(ゼンリン地図など)
※公図については、法務局で取得します。
⑨(借入金がある場合は)借入金の残高証明書
⑩固定資産税の通知書(市町村役場から5月頃に送られてきます)
⑪市町村民税の通知書(不明な場合は、市町村役場で手に入れることができます。)
⑫土地建物の賃貸借契約書
⑬(過去3年以内に贈与をされている場合)過去3年分の贈与税申告書
3.葬式費用関係
①お寺のお布施代(通夜、告別式)
②葬式費用の領収書
③葬儀の時の手伝いとして出した清め等
※領収書ない場合は、メモでもかまいません。
※香典返しは控除されないので、注意してください。
エンディングノートとは、自分に『もしも』のことがあったときに、家族に伝えたいことをまとめてノート形式で記入しておくものです。「エンディングノート」を作っていくことによって、自分の死後、もしくは意識不明のような万が一の事態に備えて、あらかじめ自分の考えをまてとめておくと、相続人等は大変助かります。また、親族などに直接伝えにくい内容についても、エンディングノートに記録してまとめておくことで、万が一の事態の際に、確実に伝えることができます。自分の心の整理をするうえでも大変有効なツールとなるでしょう。エンディングノートは、市販のノートに右のような内容を記載しておくとよいでしょう。
または、記載項目をまとめた市販のエンディングノートも販売していますので、これを利用するのも良いでしょう。
①預貯金等の取引銀行等を1ないし2カ所に集約しておきましょう。
②相続人の代表名義の預金口座を開設して、預金等を移動しておくのも1つの方法です。(推定される相続人全員の合意が必要です。)さらに、預貯金を解約して資産管理法人に 貸し付けるといった方法もとることができます。
相続をする際、被相続人(相続される側)と、相続する不動産の「登記簿上の」所有者が一致していることが必要です。要は、その対象となる不動産の持ち主が、確かに被相続人のものですよ、と「登記簿上で」証明できなければなりません。
しかし、例えば、被相続人が住所を移転していた場合、被相続人の戸籍附票または住民票の住所(本籍)が登記簿上の記載と違っている場合、同一人だと証明できません。
そこで、心当たりのある場合は、念のため確認し、必要によっては住所変更登記を行うようにしましょう。